みなさんは「宇宙人」と聞くとどのような感じを受けられるでしょうか。

「地球外知的生命体」などという言い方をすれば、また違った感じを受けられるかもしれませんが、私の幼い頃は冗談まじりに話をすることはあっても、真面目に話題にすれば白い目で見られかねないような事柄でした。

しかし私が成人した頃は、大分事情が違ってきていて、電波望遠鏡などの開発による天文学の進歩により、広大な宇宙には地球のように生物が存在できる惑星は少なからずあり、宇宙の何百億年という歴史からすれば、地球人類のように知性を持つまでに進化した生命体が存在する惑星があっても、おかしくないという見解が普通になっていました。

そしてさらに現代においてはまた違った観点から、より高い確率で地球外生命体が存在すると考えられるようになっています。それは生命体の生存条件が、最近の科学研究によって従来考えられていたものよりも、はるかに多様であるということが解明されてきているということからです。

たとえば、硫酸の中で生息できる生物がこの地球上にも存在するということで、その様な生物は、生命活動に必要なエネルギーの種類もその摂取の仕方も、従来の科学における常識では考えられないようなものになっているということなのです。

ですから、以前は生命体が存在できるとは到底考えられなかった環境の星でも、生命体が誕生し進化出来る可能性があると見なされるようになり、その意味で「地球外生命体」は従来考えられていたより、ずっと多くの惑星に存在していると考えられるようになってきているのです。

 

その様な流れの中で、私が驚いたこととして京都大学だったかと思いますが、英語の入試問題の長文に取り上げられていた西アフリカの原住民族である、ドゴン族の伝承があります。

この伝承によると、ドゴン族の祖先はシリウス(=おおいぬ座、アルファ星)から地球に訪れたということであり、その伝承の中には、現代の高度な天文学を通してやっと知り得たシリウスに関する情報が、その通り含まれているということなのです。

それは例えばシリウスにはシリウスBという伴星が存在していますが、肉眼で見えるシリウスに対し、シリウスBの方は肉眼では見えず、天体望遠鏡によって近年やっと発見されたものであるのにもかかわらず、ドゴン族の古代からの伝承の中でその存在が述べられているのです。

またシリウスBは、シリウスの周りを50年かけて公転していることが現代の天文学でわかっているのですが、このこともドゴン族の伝承の中でそれに相当する内容が述べられているのです。

これら以外にも、現代の天文学によってやっと解明された事柄がその伝承の中に含まれており、このことをどう解釈したらよいのかというような趣旨の英文が、その入試問題の1部として扱われていたのです。

もちろんその入試長文においては、その伝承の内容から、ドゴン族の祖先がシリウスから訪れた知的生命体だと結論付けているわけではなく、問題提起の形で終わっていましたが、その様な内容の文章が国立大学の入試問題に登場するようになったとは、私の幼い頃のことを考えると、ずいぶん「宇宙人」に対する認識も変わったものだと、そういう意味で驚かされたのでした。